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「いきなり団子とともに新しい時代に挑戦する」インタビュー:長寿庵 足立さん

今回インタビューさせていただいたのは「いきなり団子の長寿庵」の二代目を担う常務取締役足立明弘さんです。

今回長寿庵の足立さんにお聞きしたのは、長寿庵の「変わらないもの」「変わるという挑戦」について。
そこには、一代目が作り上げてきた伝統に、二代目が新たに吹き込んだ熱い思いがありました。

いきなり団子の長寿庵について

いきなり団子とは、熊本の郷土菓子の一つ。サツマイモと餡を小麦で出来た生地で包み蒸しあげた、素朴で美味しい、熊本県民一押しのお菓子です。「いきなり団子の長寿庵」は熊本に数あるいきなり団子屋さんの中でも言わずと知れた名店ですよね。

競合の多い中で、一体どのように他社との差別化をはかっているのでしょうか?

まずは長寿庵さんの沿革からお伺いしました。

長寿庵の歴史

長寿庵さんの歴史について教えてください。

当社は、朝生菓子などを販売する団子屋さんとして1981年5月に創業しました。私の父が創業して、現在は38年目になります。当初は、いきなり団子は数あるお菓子の中のひとつ、ワンオブゼムだったんです。はじめはスーパーなどで催事販売を行い、その後は直営で店舗を構えてしっかり販売をしようということになりまして、バブル前後には店舗数が12店舗まで拡大していました。その後、バブルの崩壊で、店舗数は縮小に転じて、97年くらいには3店舗に。

そして、2001年頃から、徐々にいきなり団子の特化生産に変わっていきました。北陸を除いて全国全地域におろすことになり、それでまた少しずつ売上も伸びていきました。その頃、本社はもっと熊本駅近くにあったのですが、2009年から2010年にかけて熊本駅周辺の再開発事業の影響で、当社に立ち退きの依頼が来たため、本社を現在の春日7丁目に移しました。それが2011年になります。

熊本駅にある肥後よかモン市場

現在では、熊本の玄関口である熊本駅と、隣県の博多駅に出店されており、県内外問わず愛される存在になっていますよね。

二代目のことをもっと知りたい!!

社会の流れとともに社内でも試行錯誤があったんですね。足立さんはどのような経緯で、ご実家を継ぐことを決めたのですか?

僕が後を継ぐために熊本に帰ってきたのは2009年くらいでした。最初は全く継ぐ気持ちはなかったんですけどね(笑)

大学を卒業してから3年間社会人をやっていました。金融業だったのですが、リーマンショックがあって、金融でキャリアをたてていくのは難しいかなと思って帰ってきたんです。

足立さんが熊本に帰ってきた2009年は、工場店の移転や、熊本駅店のリニューアル・博多駅のオープンなどまさに第二創業期。長寿庵の再出発に足立さんが携わることになり、設計の打ち合わせをしたり、新しい店舗の構想に着手したりと、忙しい日々を送っていたそうです。

一般企業から製造業への方向転換。何かギャップはありましたか?

今でもそうなんですけど、中小企業って本当に何もないんですよ(笑)

うちの会社は元々BtoC1での販売の割合がとても大きかったんです。BtoB2の販路を拡大したくても、展示会販売などのノウハウもなかったし、社内環境の面ではサーバーなどの環境もまるでありませんでした。そんな状態の会社の中に飛び込んで、いろんなことを1から構築してきたのでとても大変でしたね。

現在では、ホームページ開設、ネットショップでの販売や、オウンドメデイア活動など、幅広い活動を行なっている足立さん。SNSではファンも多い。サラリーマン時代のノウハウを生かし、新しい経営方針でターゲットの幅を広げている。

MEMO1BtoC…Business to Customerの略称。直売などの企業が個人に対して商品・サービスを提供すること。

2BtoB…Business to Businessの略称。卸売などの企業間取引のこと。

長寿庵が守り続ける「変わらない思い」

創業者であるお父様から受け継いだものはありますか?

材料費をけちらないというのは、父が創業当時から言っていることです。
それぞれの材料にもちろんこだわりがあって、一番いいものを使うようにしています。

具体的には、芋に関しては熊本県産で、西原と大津のものを使っています。仕入れには社長である父が自ら足を運んでいます。

薄いと食べた感じがしないので、分厚い輪切りにしているんです。ひとくち分の食べ応えが違いますからね。食べていただいたときに、お芋感がしっかり出るいきなり団子に仕上がっていると思います

また、いきなり団子は皮に色とフレーバーをつければそれでいいという考え方のところもありますが、当社ではそれでは味が同じになってしまうので意味がないと思っています。当社のメインのいきなり団子(プレーン・黒糖・紫いも)は、三種類全部生地を変えていて、それぞれの味が生きるように丁寧に作っています。いきなり団子は、20年にわたってこの製法で、この三種類だけを丁寧に作ってきました。特に黒糖いきなり団子には、小麦粉に対して半分くらいの割合で黒糖をいれています。他社さんにはなかなか真似できない製法だと思います。それで口いっぱいに黒糖の香りが広がる生地に仕上がっているんです。

また、徹底した品質管理も当社の自慢です。製造ごとにすべて出荷前サンプルをとっておき、一回ふかして検品をしているんです。生地が硬いものが出てしまわないようにするための取り組みです。

新しい時代とともにアップデート:長寿庵の「変わる」という挑戦

足立さんが始めた新しい取り組みなどはありますか?

私が帰ってきてから、まずは社内の考え方を変えるところから始めました。昔の殿様商売的な傾向が残っていましたので。

お客さんをちゃんと大切にすることはもちろんですが、会社はお客様だけの存在ではありません。製造スタッフがいて、販売スタッフがいて、はじめてお客様に商品が届くわけですから、従業員第一の考え方を徹底することが大切だと思っていて、そうした考え方を浸透させることに努めました。その結果が、従業員一人一人に、長寿庵の一員として、良いものをお客様に提供するんだという意識を持ってもらうことに繋がればと思っています。

そして、最終的には長寿庵に関わってくださる全ての関係者の皆様(=ステークホルダー)に、長寿庵にしか作れない価値を提供していきたいですね。長寿庵はステークホルダーの皆様との関係をオンライン・オフラインで再定義し、社会に不可欠な存在として価値を発揮していきたい。そう考えています。

長寿庵といえばアイディアあふれるいきなり団子のイメージがあります。話題の商品「焼きなり団子」はどうやって生まれたのですか?

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焼きなり団子に関していえば偶然の産物なんです。

最初は「クロワッサンたい焼き」を作ろうと思っていたのですが、試してみたところあまりに生産性が悪かったんです。クロワッサンを作るには、クロワッサンシートを二枚重ねないといけないのでその分コストがかさんでしまうんです。原価が高くなってしまうと、お客さんにお届けする値段も高くなってしまう。

「時間もかかるし値段も高いし難しいね。でもいい素材だからなんとかしたい。」そう社内で話していたところ、工場にある「インクラスター」という機械だったら簡単に綺麗に生地を包めるかもということを思いついたんです。実際やってみたところ綺麗に包めた。しかもそれをオーブンに入れたらさらに美味しくなったんです。

それが「焼きなり団子」誕生の経緯ですね。名前は、いきなり団子パイという案もあがっていたんですけど…(笑)

「焼きなり団子」を売り出したのは2014年だったのですが、最近になって焼きなり団子の評判をよく聞くようになりました。

さらに、全国誌「CREA」で、読者が選ぶ地元のおいしいお菓子ランキングで選ばれたのこと!おめでとうございます!

これからの新しい試み、挑戦などはありますか?

今年になって「抹茶いきなり団子」「黒糖きな粉いきなり団子」という商品の発売を開始しました。これまでプレーン・黒糖・紫いもの三種でずっとやってきたのですが、ついに新しいフレーバーのいきなり団子の登場です。

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「抹茶いきなり団子」は生地にも餡子にもふんだんに抹茶を使用。一口食べると口いっぱいに抹茶の上品な味が広がる贅沢ないきなり団子です。
一方「黒糖きな粉いきなり団子」はこれまた生地に黒糖がたっぷり使われていることはもちろん、餡子には珍しいきなこを練りこんだ「きなこ餡」を使用。さらに最後の仕上げに、きなこをたっぷりふりかけるので、黒糖ときなこのハーモニーが抜群なんです。

この二つのいきなり団子には和菓子の考えかたが反映されているんです。生地だけではなく餡子にもたっぷり抹茶やきな粉が練りこまれているので、食べたときの全体のバランスが良くて、違和感がないんです。私が開懐世利六菓匠(かわせりろっかしょう)の立山さんに、一から教えてもらった和菓子のノウハウを詰め込みました。

特に立山さんからあんこが一番大事だということを学びました。和菓子はいわば全部あんこでできているからですね(笑)

最近は和菓子の新商品をいくつか作りたいと思って、商品開発に取り組んでいます。
お土産菓子にもなるような、いわゆる銘菓ものを立山さんの監修のもとで試作中です。余計なものを使わずに、上品ながら、でもどこか面白いお菓子をお客様にお届けできたらいいなと思っています。

さいごに

長寿庵の第二創業期を担う足立明弘さんのお話をお伺いしました。

新しい時代に追いつき、そこで新しい価値を提供していくために、一からいろんなことを試行錯誤している足立さん。その努力もさることながら、次から次に新しい挑戦を行うフットワークの軽さと柔軟な発想力とがすばらしいと感じました。

熊本をどんどん盛り上げる「作り手」の一人、足立さんが生み出す長寿庵の商品から今後も目が離せません!

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